日国友の会

しんずい【心蕊】

読者カード 語釈 2025年05月21日 公開

2021年10月16日 古書人さん投稿

用例:〇榕按ニ雄蕊ハ鬚蕊ナリ雌蕊ハ心蕊ナリ〔巻一〕
『遠西医方名物考補遺』 1834年 宇田川榛齋
語釈:〔名〕「めしべ(雌蕊)」に同じ。

コメント:取り敢えず

編集部:第2版では、〈「しべ(蕊)(1)」に同じ〉とあり、その「蕊(1)」の語釈に「種子植物の花にある生殖器官。雄しべと雌しべをいう。ずい。花蕊」とありますが、これは要検討です。というのも、「心蕊」の用例に中川重麗訳『博物学階梯』(1877)から「花の中央に花牀を認む牀上に心蕋あり。鬚蕋之れを囲繞す。心蕋は花の女性、鬚蕋は花の男性なり。故に雌蕋、雄蕋の名あり」という文が引かれており、ここではっきり「心蕊は花の女性、〈略〉故に雌蕊」と言っているわけですから、「心蕊=雌蕊」と解してよいのではないかと思われます。ご紹介いただいた例はさかのぼるだけでなく、語釈を検討する好材料にもなっていると思われます。ちなみに、「雌蕊」の語釈は「種子植物の花にある雌性生殖器官。子房・花柱・柱頭の三部からなるが、花柱を欠くものもある。しずい。←→おしべ」となっています。

著書・作品名:遠西医方名物考補遺

媒体形式:単行本

刊行年(月日):1834年

著者・作者:宇田川榛齋

掲載ページなど:10丁オ4行目(2行割)

発行元:青藜閣