日国友の会

さんばんいね【三番稲】

読者カード 項目 2022年12月27日 公開

2021年09月22日 ubiAさん投稿

用例:刈田の鋤かれた後には、三番稻が淋しうそよいで居る。
『斷片-一』 1897頃年 寺田寅彦
語釈:〔名〕三期作目の稲。

コメント:項目が載っていないようなので。ここでは、意図して作っている訳ではなく、二期作目の後に生えてきたもののようですが。ちなみに「二番稲」、「一期作」、「二期作」はともに立項されており、「三期作」は立項されていませんが、「一期作」の語釈中にあります。「三番稲」は、「めでたどし(めでた年)」の用例中(歌謡・聖霊踊歌〔18C後頃か〕土佐の踊「今年の年は目出度年で、三番稲がよね八石」)にあるようで、それよりも新しい例ではありますが、「二番稲」の用例(春夏秋冬‐秋〔1902〕〈河東碧梧桐・高浜虚子編〉「新米や土佐はよい国二番稲〈波静〉」)とともに土佐と関連した用例が載っていることと、寅彦も土佐で過ごしているので、長期にわたる稲作に関連する用例がいずれも土佐に関連していることが、偶然かもしれませんが興味深いです。「明治三十年頃のものと考へられる」と後記にあり、年代は明確ではないですが、とりあえず。

編集部:第2版では、立項されませんでした。

著書・作品名:斷片-一

媒体形式:単行本

刊行年(月日):1897頃年

著者・作者:寺田寅彦

掲載ページなど:289ページ本文2行目〔『寺田寅彦全集第六巻』、一九五〇年一〇月五日 第一刷発行 一九八六年一月七日 第二刷発行〕

発行元:岩波書店