日国友の会

きはきでない【気は気でない】

読者カード 項目 2022年12月15日 公開

2021年09月15日 ubiAさん投稿

用例:一刻を爭ふ經濟上の交涉をひかへて居るので氣は氣でない。〔六十三〕
『話の種』 1908年2月4日 寺田寅彦
語釈:「き(気)が気(き)でない」に同じ。

コメント:項目が載っていないようなので。外にも例があるのか、それとも誤植なのか分かりませんが、とりあえず。初出(明治四十一年二月四日、東京朝日新聞)とあります。

編集部:第2版では、この形では立項されませんでした。「気は気でない」という例は数は多くないものの、ないわけではないので、「気が気でない」のバリエーションとして検討すべきですね。たとえば、黒岩涙香訳『妾の罪』(三友舎、1890)に「朝も未(まだ)暗きうちより父は人足を雇ひ来り古池の掃除を初(はじめ)たり妾は実に気は気でなし(第十一回)」(75頁2行目)とあり、山田美妙『いちご姫』(金港堂、1892)に「小二郎も気は気でなくなりました(第三十五)」(285頁後ろから2行目)などとあります。ちなみに、「気が気でない」の語釈は「ひどく気がかりである。気にかかって心が落ち着かない。気が心でない」とあります。

著書・作品名:話の種

媒体形式:単行本

刊行年(月日):1908年2月4日

著者・作者:寺田寅彦

掲載ページなど:451ページ本文6行目〔『寺田寅彦全集第六巻』、一九五〇年一〇月五日 第一刷発行 一九八六年一月七日 第二刷発行〕

発行元:岩波書店