ひわたし【火渡】
読者カード 用例 2022年11月05日 公開
| 用例: | 冬夜の子供遊びにはよく「火渡し」「しりつぎ」をやつたものである。日本紙を幅五六分に引き裂いたのに火鉢の灰を少し包み込んで線香大の棒形に捻る。その一端に火をつけて「火渡し」と云つて次の人に渡すと、次の人は「しりつぎ」と答へて次へ廻す、それから段々に東京で所謂「尻取り」をするのであるが、言葉に窮して考へてゐる間に火が消えると其人は何かしら罰として道化た隱し藝を提供實演しなければならないのである。 |
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| 『追憶の冬夜』 1934年12月 寺田寅彦 | |
| 語釈: | 〔名〕「ひまわし(火回)」に同じ。 |
コメント:投稿例(1638、1688)よりも新しいですが、内容が非常によく分かる例と思うので。初出(昭和九年十二月、短歌硏究)とあります。
編集部:第2版では、俳諧『鷹筑波集』(1638)と浮世草子『色里三所世帯』(1688)の例が添えられています。ちなみに、「火回し」の語釈は「子どもの遊戯の一つ。数人が輪になってすわり、火をつけた線香やこより・紙燭(しそく)などを持って、しり取り遊びのように物の名などを言いながら順に回し、言いつまって火が次第に指に迫ってあわてるのを興じ、火が消えたものを負けとする。同音で始まる物の名を順次あげてすることもある。火文字ぐさ。火文字ぐさり。火の字まわし。火回り。火渡し。火やろ」となっています。
著書・作品名:追憶の冬夜
媒体形式:単行本
刊行年(月日):1934年12月
著者・作者:寺田寅彦
掲載ページなど:206ページ本文6行目〔『寺田寅彦全随筆五』、一九九二年四月三日 第一刷発行〕
発行元:岩波書店
