日国友の会

はんせいがい【半生涯】

読者カード 項目 2022年05月02日 公開

2021年05月14日 ubiAさん投稿

用例:厄年の峠を越えようとして私は人並みに過去の半生涯を振り返つて見て居る。
『厄年とetc.』 1921年4月 寺田寅彦
語釈:〔名〕一生(いっしょう)のなかば。また、それまでの人生。(岩波国語辞典第八版「半生(はんせい)」)

コメント:項目が載っていないようなので。読みは不明ですが、第二版の「妾の半生涯(わらわのはんせいがい)」に倣って、読みを「はんせいがい」にしました。ただ、三省堂国語辞典(第七版)では「半生涯(はんしょうがい)」で載っています。語釈は「半生(ハンセイ)」で、「半生(はんせい)」の語釈は、「一生の半分」とあります。第二版の「半生(はんせい)」の語釈は、「(1)一生涯の大部分。また、大人になってからの生涯の大部分。半世。」となっています。寅彦は大正10年は44歳ですが、「病氣に罹つて今でも未だ全快しない。」状況なので、どちらにもとれそうに思いますが、「半生涯」が「半生」と同じなら、岩波国語辞典第八版の「それまでの人生」がいちばん当てはまるように思います。初出(大正十年四月、中央公論)とあります。

編集部:第2版では、立項されませんでした。「生」は漢音で「セイ」呉音で「ショウ」とよみますが、「生涯」と熟した場合、古辞書の類をみると古くから「ショウガイ」と読んでいますね。一方、「半生」と熟した場合は、「ハンショウ」とよめば、「生死の境にあること、死にかかっていること」という意味になり、「ハンセイ」と読めば、漢籍由来の「一生涯の大部分。また、大人になってからの生涯の大部分」という意味になります。そこから、語構成を「半-生涯」と考えれば、「ハンショウガイ」と読み、一生涯の半ば、半分という意味になり、「半生-涯」と考えれば「ハンセイガイ」と読み、半生の極み、とりあえずこれまで生きてきた極みという意味になると考えられます。ここは後者のほうが意味としてはわかりやすいですね。

著書・作品名:厄年とetc.

媒体形式:単行本

刊行年(月日):1921年4月

著者・作者:寺田寅彦

掲載ページなど:583ページ本文9行目〔『寺田寅彦全随筆一』、一九九一年一二月四日第一刷発行〕

発行元:岩波書店