日国友の会

ちぶつ【地物】

読者カード 用例 2022年04月19日 公開

2021年05月07日 ubiAさん投稿

用例:大氣中の水蒸氣が凍結して液體又は固體となつて地上に降るものを總稱して降水と言ふ。其の中でも水蒸氣が地上の物體に接觸して生ずる露と霜と木花と、氷點下に過冷却された霧の滴が地物に觸れて生ずる樹氷又は「花ボロ」を除けば、あとは皆地上數百乃至数千米の高所から降下するものである。
『凍雨と雨氷』 1921年2月 寺田寅彦
語釈:地上に存在するもの。岩石・植物などの自然物および建物・物件など人工構築物。特に軍隊で、戦闘に利用する物体をいう。

コメント:第二版の用例(1904)よりも新しいですが、大正十年二月十一日東京朝日新聞では「ちぶつ」とルビが付いていて、読みが分かるので。初出(大正十年二月、東京朝日新聞)とあります。

編集部:第2版では、軍歌『橘中佐』(1904)の例が早いのですが、文章例としては『歩兵操典』(1928)よりも7年さかのぼることになります。

著書・作品名:凍雨と雨氷

媒体形式:単行本

刊行年(月日):1921年2月

著者・作者:寺田寅彦

掲載ページなど:513ページ本文2行目〔『寺田寅彦全随筆一』、一九九一年一二月四日第一刷発行〕

発行元:岩波書店