日国友の会

たんぶんしまく【単分子膜】

読者カード 項目 2021年10月30日 公開

2021年01月04日 ubiAさん投稿

用例:ガラスと水銀の面にはベンゾフェノンが常溫で擴がり單分子膜を作る
〔昭和七年(1932)七月二十日〕
『中谷宇吉郞宛寺田寅彦書簡』 1932年7月20日 寺田寅彦
語釈:〔名〕厚さがちょうど1分子に相当するだけの薄い膜となって分子が整列したときに単分子膜、あるいは単分子層という。高級脂肪酸や高級アルコールを、ベンゼンなどの易揮発性の溶媒に溶かして水面に落とすと、溶媒が揮発したあとに単分子膜をつくることができる。このとき、アルコールのヒドロキシ基やカルボキシ基(カルボキシル基)は親水基であるので水のほうを向き、疎水基の長鎖のアルキル基は水から遠いほう(空気中)に並ぶ。すきまなく分子が配列すると、厚さがちょうど長鎖のアルキル基(プラス親水基)の長さに相当した単分子の膜が得られる。これから脂肪酸の鎖の長さ、分子の断面積などを初めて求めたのはアメリカのラングミュアである。彼は固体表面における気体の吸着を、やはり単分子膜の概念を用いて解析し、気体中の金属表面の化学反応などに関して貢献をした。(日本大百科全書(ニッポニカ))

コメント:項目が載っていないようなので。書簡末尾(七月廿日)。

編集部:第2版では、立項されませんでした。

著書・作品名:中谷宇吉郞宛寺田寅彦書簡

媒体形式:単行本

刊行年(月日):1932年7月20日

著者・作者:寺田寅彦

掲載ページなど:563ページ本文9行目〔『寺田寅彦全集第十六巻』、一九五一年八月五日第一刷発行、一九八六年一一月五日第二刷発行〕

発行元:岩波書店