日国友の会

ばけものもひっこむじぶん【化物も引っ込む時分】

読者カード 用例 2018年07月28日 公開

2018年06月27日 ぽんちさん投稿

用例:化物もひきこむ時分○化物屋敷
『俚言集覧』 1829年 村田了阿編
語釈:待つべき時機はすでに過ぎてしまっていることをいう。

コメント:先日の語彙辞書研究会で野村雅昭先生が「落語辞典の穴」という講演で日国2版には典拠が示されていないと指摘されていました。確かに2版の後に出た小学館『故事俗信ことわざ大辞典第二版』には示されています。とはいえ、今ふつうに確認できる俚言集覧の増補版は明治33年にできてますから、これをもってこの言い回しが江戸時代にあったとまでは言い切れないような気もします。

編集部:本編は太田全斎の著で文化12年(1829)に完成していますが、それをもとに増補して明治33年(1900)年出されたのが村田了阿編の『増補俚言集覧』ですね。ただ、凡例にもありますように、多少の形式を変えながらも基本的には本編を継承しており、特に新しいことわざが加えられたときは見出しのアタマに(増)(「増補」の「増」を四角い枠で囲ったいわゆる約物)という印が付いています。確認したところ、この項目にはこの(増)が付いていないので、これはもとからあったものと判断してよいと思います。つまり江戸後期には使われていたと思われます。

著書・作品名:俚言集覧

媒体形式:単行本

刊行年(月日):1829年

著者・作者:村田了阿編

掲載ページなど:65ページ〔村田了阿編『増補俚言集覧 下』、1900〕

発行元:皇典講究所印刷部