ざがく【座学】
読者カード 語釈 2015年09月09日 公開
| 用例: | 司法省といたしましては作業は教育の手段として、是非とも必要である。特にあの問題児と称せられる種類の子供は、普通の座学の勉強などばかりでは決して良くならない。 |
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| 『参議院・厚生委員会社会事業振興に関する小委員会』 1947年10月9日 国会会議録検索システム | |
| 語釈: | 〔名〕主として軍隊で、演習、訓練、体育などの実技に対して、講義形式の学科をいう。 |
コメント:私のブログの文章です。日本語への信頼(83)「座学」が辞書に載っていない 高知市にある私立高校に「自衛隊コース」が新設されるというニュースが載っていました。 自衛隊コースでは、1週間のうち6時間を自衛隊関連の授業にあてる。4時間は銃の形をした木製武具を使う「銃剣道」、2時間は自衛隊の歴史や活動を学ぶ座学を実施する。 (朝日新聞・大阪本社発行、9月9日・朝刊、13版、33面) この「座学」という言葉は、「広辞苑」をはじめ、ほとんどの小型辞書には載っていません。 この日の朝日新聞には、「三省堂国語辞典」の編集委員である飯間浩明さんの「ことばはゴムのように / 安保法案 解釈が伸びていく不安」という文章が掲載されています。(朝日新聞・大阪本社発行、9月9日・朝刊、10版、31面) 「三省堂国語辞典・第三版」には「ざがく【座学・坐学】」の項があって、次のように説明されています。 机にすわって・する学習(学習をおこなうこと)。 この「座学」という言葉は、いつ頃からかは記憶に定かではありませんが、私たちはかなり以前から使っていました。どういう場で使われていた言葉を利用したのかは知りません。 日常の学校教育のカリキュラムを論じるようなときには使いませんが、例えば新入生のオリエンテーションのプログラムを検討するとか、野外活動の内容を検討するとかの場合には使いました。 「座学」は一言で言うと、講義を聞いて学習することです。机に座るか、体育館で床に腰を下ろすかというような区別はありません。 実技・実習・演習などに対して、誰かが話しているのを聞いて学習することです。机に座っていても、討論や実習などを通じて学習することは「座学」とは言わなかったように思います。 ほとんどの辞書に載っていないのですから、意味が揺れるのは仕方がありません。この日の飯間さんの文章には、「ことばの解釈は、時代の流れととともに、白から黒に変わることさえあります。」という表現があります。この高校の自衛隊コースの2時間の「座学」も、世の中の状況しだいで教育内容や教育形態が変容していくことがないとは言えないでしょう。
編集部:小型辞典で取り上げてもおかしくないくらいもう定着してますね。『大辞泉』では、「演習や訓練などの実技に対して、講義形式の学科のこと。[補説]もとは軍隊で使われた語」とあり、『日本国語大辞典』では、上記のような語釈がなされた後に、野呂邦暢『草のつるぎ』(1973)から「座学は一時間で終った」という例が引かれています。友の会では、2004年11月23日に、末広鉄男さんから、末長一男『安全運転の科学』(1970)から「車の動かし方を知り、一定のコースを運転でき、座学によって覚えた道路交通法規に答えられれば」という例が紹介されています。ですから、遅くとも1970年代には普通に使われていた可能性があります。投稿例は国会会議録検索システムで検索したところ、帝国議会では0件、国会では354件ヒットした中でいちばん古い例です。戦後すぐの第一回国会でこうした公の場で使われているということは、やはり戦前から口頭では使われていたと思われます。
著書・作品名:参議院・厚生委員会社会事業振興に関する小委員会
媒体形式:新聞・広報・官報
刊行年(月日):1947年10月9日
著者・作者:国会会議録検索システム
掲載ページなど:3号
発行元:
